劣後債のメリットとは?投資するならこれだけは知っておこう!
あなたは、「劣後債」というものをご存知でしょうか?
おそらく、多くの人が劣後債という言葉を初めて耳にすると思います。正直、劣後債という言葉を知らないからといって、これと言ったデメリットはありません。
ただ、投資全般の知識を身につける意味で、劣後債という言葉の意味を理解することは大切です。
この記事では、最低限知っておきたい劣後債の基礎知識をまとめました。ぜひ参考にしてください。
(最終更新日:2022年7月6日)
劣後債の基礎知識
劣後債は社債の一種
そもそも劣後債とは、企業が発行する社債の一種です。というか、基本的には普通の社債と同じだと考えて差し支えありません。
つまり、利息や満期日があらかじめ定められていて、満期を迎えると、元本が払い戻しされるということです。
ただ、一つだけ普通の社債とは違うところがあります。
弁済順位が低い
劣後債と普通の社債との一番の違いは、「弁済順位」が違うことです。劣後債は、普通の社債と比べて、弁済順位が低くくなっています。
例えば、ある会社が倒産してしまったとすると、真っ先にお金の弁済が行われるのは、銀行や社債の保有者に対してです。
一方、劣後債が弁済されるのは、銀行や社債の弁済が行われた後で、それもその会社にお金が残っている時だけです。その会社にお金が残っていない時には、劣後債には弁済が行われません。
つまり、普通の社債と比べて、劣後債はリスクが高い債券となります。
利率が高い
劣後債はリスクが高いので、他の債券と比べて利率が高く設定されるようになっています。
単に弁済順位が低いだけの債券なら、誰も劣後債に投資しようとしませんね。投資家に投資してもらうため、劣後債は利率を高めているのです。
劣後債のポイント
株と社債の中間に位置する
劣後債は、普通の社債と比べてリスクが高い代わりに、リターンも大きくなっています。一方、株と比べると、当然、債券である劣後債の方がリスク・リターンともに低くなります。
つまり、劣後債は株と社債の中間に位置する商品ということが分かります。
早期償還されることがある
劣後債の中には、早期買取条項が付与されているものもあります。
早期買取条項とは、発行されている債券を、発行者が満期前に買い取ることができる条項です。この条項があると、発行者は任意で債券を償還させることができます。
投資家側からすると、せっかくハイリターンを狙って劣後債を購入したのに、早々と償還されてしまうため、利益を得る機会が減ってしまいます。
投資金額が大きい
劣後債は、最低投資額が100万円〜、200万円〜と、かなり大きいです。投資に回す資金が少ない人には、なかなかハードルが高いといえます。
ただ、最近では、投資金額が10万円からの劣後債も登場していますので、色々と探してみるのが良いと思います。
金融機関にとっての劣後債
劣後債を使って自己資本比率を高められる
劣後債は、金融機関が好んで発行する債券です。
実を言うと、金融機関が劣後債を発行すると、一定の制限はありますが、発行額を自己資本比率規制における「資本」として計上することができます。
つまり、金融機関にとって、劣後債は自己資本比率を高めるの手段の一つなのです。
5年で早期償還されることが多い
劣後債の発行者は金融機関が多いですが、劣後債を発行して5年ほどで早期償還することが多くなっています。というのも、金融機関の会計処理上、5年で償還した方が有利に働くからです。
先ほど早期買取条項の説明をしましたが、それがこの時に発動されるのです。
金融機関の発行する劣後債に投資する時には、発酵後5年で早期償還されることを念頭に置いた方がいいでしょう。
劣後債のまとめ
今回は、あまり聞き慣れない「劣後債」について解説してきました。
劣後債に投資する機会は滅多にないと思いますが、ぜひ言葉の意味だけは分かるようにしましょう。