株式交換とは?株価が下がる仕組みやメリットを投資家目線でわかりやすく解説
新聞やニュースを見ていると、たまに「株式交換」のニュースを目にすることがあります。
株式交換は「株式を交換することだ!」ということは何となく分かりますが、実際のところ、株式交換がどのような目的で行われるか、あなたはご存知でしょうか?
また、仮にあなたが投資している銘柄が株式交換の対象となったら、どうすればいいのでしょうか?
この記事では、「株式交換とは?」というあなたの疑問にお答えします。
・株式交換は企業再編ツールのひとつ
・株価が上がることも下がることもある
・新しい株との交換は自動的に行われる
この記事で株式交換に対する理解を深めてくださいね!
(最終更新日:2022年4月10日)
株式交換と株式交換比率とは?
まずはじめに、株式交換と株式交換比率という用語の意味を確認しましょう。
株式交換は企業再編手法のひとつ
株式交換とは、ある会社の発行済株式のすべてを別の会社の株式と交換することをいいます。
株式交換が行われることにより、もともとあった会社の株式は全て別会社に移行するため、その会社は別会社の100%子会社となります。
株式交換は、親会社がグループ会社を100%子会社にする時に利用する企業再編手法の一つです。
株式交換によって100%親会社となる会社を完全親会社、100%子会社となる会社を完全子会社といいます。
株式交換は平成11年に導入され、子会社の株式を買い取るだけの資金がなくても、親会社が機動的に買収できるようになりました。
株式交換比率によって保有株数が変わる
株式交換が行われる時には、完全子会社となる会社の株主は、あらかじめ決められた株式交換比率に基づいて親会社の株式と交換されます。
例えば、子会社の株式を100株保有していて、株式交換比率が10:1だとすると、完全親会社の株式10株と交換されます。
なお、株式交換比率は、当事者間の話し合いによって決まりますので、どのような交換比率になるかはケースバイケースとなります。
株式交換が行われるタイミングはいつ?
株式投資が行われるタイミングは、どんな時なのでしょうか?
ここからは株式交換が行われる主なタイミングを解説します。
吸収合併や会社統合などのタイミング
株式交換が行われるタイミングは様々です。
同業他社を吸収合併して事業規模を拡大したい時だったり、グループ会社で経営不振の会社があったら、傘下に入れて生き残りを図ることも考えられます。
なお、株式交換が行われる前に、投資家に事前に通知がありますので、その通知で株式交換の情報を得ることができます。
株式交換の情報の調べ方
株式交換が行われる場合には、株主に株式交換の案内が届きます。
また、新聞やニュース、会社のホームページなどを通じて株式交換の情報を確認することもできます。
なお、IR情報を確認することで、株式交換の目的などの詳しい情報がわかりますので、投資判断に生かせます。
株式交換の2つのメリット
株式交換は、投資家側、企業側にそれぞれメリットがあります。
ここからは、株式交換のメリットを投資家側と企業側に分けて解説します。
【投資家側】株価の上昇が期待できる
株式交換による投資家側のメリットは、株式交換後に株価が上昇する可能性があることです。
仮に株式交換後に親会社の業績が順調に推移すれば、投資家の買いが集まり、株価は上昇します。
しかし、株式交換が行われたタイミングでは、株価が上がるか下がるかは分かりません。
【企業側】大きな買収資金が必要ない
親会社にとって、株式交換は大きなメリットがあります。
それは、子会社化するにあたって、買収資金を用意する必要がないからです。
親会社としては、現金を用意する代わりに自社の株式を用意すればいいため、スピーディーに子会社化が行えます。
なお、株式交換によらない買収の場合、銀行から借り入れをしたり、社債を発行して資金を調達する必要があるため、手間と時間がかかります。
株式交換の2つのデメリット
ここからは株式交換のデメリットを見ていきましょう。
【投資家側】株価が下落する恐れがある
株式交換の結果、投資家の間で株価の下落を予想する人が多くなれば、株価は下落します。
株価の変動要因は様々であり、株価がどう動くかは誰にも分かりませんので、リスクを負いたくない人は、株式を手放すのも一つの手です。
【投資家・企業側】現金化が困難
親会社が非上場企業だった場合、株式交換の結果手に入れた株式を現金化することは非常に困難です。
また、中には株式の売却を制限する条項が盛り込まれていることがありますので、この場合は株式の売却ができなくなります。
基本的には、株式交換時は現金化が非常に難しいです。
株式交換が行われたらどうすれば良い?
それでは、実際にあなたの保有する株式が株式交換の対象となった場合、どう対処すればいいのでしょうか?
株式は自動的に交換される
株式交換の際、株主側でやるべきことは特になく、株式の交換は自動的に行われます。
株券がまだ存在した時代には「書換」の手続きが必要でしたが、今は電子化されているため、何も手続きはいりません。
しかし、株式交換されても不利益がないか、よく考えましょう。
新しい株式に変わるタイミング
株式交換の結果、株式が新しい株式に変わるのは「効力発生日」からです。
この日付の前に株式の売却などの手続きをしようとすると、注文が出せない可能性があります。
この場合は証券会社に確認しましょう。
単元未満になることもある
株式交換は、何も単元通りスッキリ株式が交換されるわけではなく、端数が出ることがあります。
仮に端数が出たら、市場で取引できなくなりますので、その場合は証券会社に確認しましょう。
ちなみに、単元未満でも配当金は1株単位でもらえますので、心配はいりません。
株式交換のまとめ
ここまで、株式交換について簡単に解説してきました。
自分が保有する株式が株式交換されることもあるかもしれませんので、この記事を参考に心の準備をしてくださいね。