公募株式投資信託とは?種類・選び方・注意点をわかりやすく現役投資家が解説
投資信託は、運用する商品の種類によって「債券」に投資するものと「株式」に投資するものの2種類に大別されます。
また、広く一般的に募集される「公募型」の投資信託と、クローズドな募集方法となる「私募型」の投資信託が存在します。
そして、この記事で取り上げる公募株式投資信託は、まさに「公募型」の「株式投資信託」になります。
公募株式投資信託はオーソドックスな投資信託ですので、この記事で基本をしっかりと理解しましょう。
なお、投資信託の基本から確認したい人は、以下の記事が参考になります。
(最終更新日:2022年4月14日)
公募株式投資信託とは?基本を理解しよう
公募株式投資信託を理解する上では、言葉をパーツ・パートで分けて考えるのがお勧めです。
公募株式投資信託という言葉は、「公募」と「株式」と「投資信託」の3つのパーツから成り立っています。
以下、それぞれのパーツの意味を解説します。
公募とは
まず「公募」とは、金融庁へ届出を行い、不特定多数の人に向けて投資信託の募集を行う形態をいいます。
つまり、公募型の投資信託には誰でも投資できるということですね。
一方、公募とは反対の意味を持つ言葉に「私募」があります。
私募とは、金融庁への届出が免除される代わりに、50人未満の投資家にのみ募集ができたり、銀行や保険会社などの一定の要件を満たした適格機関投資家にのみ募集を行う形態です。
通常、私たち投資家が目にするのは「公募」の投資信託です。
株式投資信託とは
株式投資信託とは、その名の通り株式に投資する投資信託です。
ここでポイントなるのが、株式に実際に投資していなくても、投資信託の約款に「株式に投資できる」旨の記載があるだけで、株式投資信託に分類されることです。
それに対して、「株式に投資できない」ことが約款に記されているものが公社債投資信託です。
以上をまとめると、以下のようになります。
世の中に対して広く募集を行い(公募)、運用先に株式を組み込める投資信託(株式投資信託)が公募株式投資信託です。
公募株式投資信託の種類
一口に公募株式投資信託といっても、多くの種類があります。
ここからは、公募株式投資信託の種類を解説します。
インデックス運用とアクティブ運用
投資信託の運用方法は、大きく分けてインデックス運用とアクティブ運用の2種類に分けられます。
インデックス運用とは、TOPIXや日経平均株価などの指数(インデックス)に連動する運用方法です。
インデックス運用は、インデックスに採用されている銘柄に機械的に投資するのがメインのため、人件費がそれほどかからず信託報酬が割安になる傾向があります。
アクティブ運用はTOPIXなどの指数を「上回る」運用成果を目指します。
アクティブ運用は多くの人員を投下し膨大な市場分析を行って運用するため、インデックス運用よりも信託報酬が高くなります。
短期的にはアクティブ運用の方がリターンが高くなることが多いですが、長期的に見ると、インデックス運用の方がリターンが高くなることが分かっています。
投資初心者は、インデックスファンドに投資するのが王道です。
なお、アクティブ運用の投資信託は、バリュー型、グロース型、テーマ型、ブルベア型、大型株・中小型株・低位株型に分けられます。
- バリュー型
- グロース型
- テーマ型
- ブルベア型
- 大型株・中小型株・低位株型
アクティブ運用①バリュー型
バリュー型は、企業の財務状況や業績を分析し、株価が割安な銘柄を見つけ出し投資する運用方法です。
株価が適正な水準に戻った時に、利益が得られます。
著名な投資家ウォーレン・バフェット氏が採用しているのも、このバリュー投資です。
ポイントとしては、割安に放置されたままの将来有望な株を見つけ出すことです。
まさに、ファンドマネージャーの腕の見せ所です。
アクティブ運用②グロース型
グロース型とは、今後の成長が期待される銘柄を選んで投資する運用方法です。
たとえ現在の株価が「割安」ではなくても、将来的に株価が上昇すると見込まれるのなら投資します。
「株価が割安でなくても投資する」というのが、バリュー投資との大きな違いです。
予想通りに株価が上昇すれば利益を得られますが、市場の状況によっては利益が出ないこともあります。
アクティブ運用③テーマ型
世間で話題となっているテーマに注目し、そのテーマに関連した銘柄を中心に投資するのがテーマ型の特徴です。
テーマ型には、IT関連、水関連、バイオ関連など様々な種類があります。
テーマ型は内容が分かりやすいメリットがありますが、そのテーマが永久に注目され続けることはありません。
どんなテーマも数年のうちに人気がなくなってしまい、上昇していた株価もひと段落するのが普通です。
テーマ型への投資は失敗する可能性が高いためお勧めできません。
アクティブ運用④ブル・ベア型
ブル・ベア型は、先物などの「デリバティブ」を活用した運用方法です。
ブルは、市場全体が上昇している時に、市場以上の利益を出せるように運用される運用方法です。
上昇局面では利益が数倍にも膨らみますが、下落局面では損失を出すこともあります。
ベアは、市場全体が下落しても、利益が出せるように運用されます。
その代わり、市場が上昇局面の時には、損失が発生することもあります。
アクティブ運用⑤大型株・中小型株・低位株型
以上に挙げた以外にも、投資する銘柄の規模によってファンドを分けることができます。
日本を代表する大企業を中心に運用する大型株型や、株価水準の低い銘柄を中心に投資する低位株型などがあります。
一般に、大型株の方がローリスク・ローリターン、小型株の方がハイリスク・ハイリターンになる傾向があります。
自分の取れるリスクに応じてファンドを選びましょう。
公募株式投資信託で成功するポイント
公募株式投資信託に投資するにあたって、いくつか注意点があります。
注意点をよく理解してから、投資しましょう。
- インデックスファンドを選ぶ
- 手数料はなるべく低く抑える
- 分配金がなるべく出ないものにする
インデックスファンドを選ぶ
公募株式投資信託を購入する際には、インデックスファンドを選びましょう。
一見すると、アクティブファンドの方が利回りが高くなりそうですが、実は長期的に見ると、インデックスファンドの方が利回りが高くなることが分かっています。
その理由は、どんな腕の優れたファンドマネージャーも投資で常に勝ち続けることは非常に難しいですし、アクティブファンドは信託報酬が高いため、それが運用の足かせとなるからです。
以上のことは、過去の統計から明らかになっています。
投資初心者はインデックファンド一択です。
手数料はなるべく低く抑える
投資信託を選ぶ際には、信託報酬が安いかどうかも重要なポイントです。
信託報酬は、投資信託のリターンを左右する重要な要因ですので、低ければ低いほど良いです。
信託報酬は、できれば0.5%前後に抑えたいところ。
たかだか数%の違いでも、数十年と運用を続けていくと、大きな差となります。
当然のことながら、購入手数料が無料の投資信託を選びましょう。
分配金がなるべく出ないものにする
分配金がもらえるのは非常に嬉しいことですが、トータルのリターンを考えると、分配金の出ない投資信託の方が有利となります。
その理由は、分配金が出ると投資信託の運用資産が減少し、分配金を出さなかった場合と比べて運用効率が悪くなるからです。
投資の成果はトータルで考えるべきですので、分配金の出ない投資信託を選ぶことをお勧めします。
公募株式投資信託の種類や選び方、注意点のまとめ
公募株式投資信託について、理解は深まりましたでしょうか?
あなたにとって最適な投資信託を見つけて、堅実に資産運用していきましょう。