共働き世帯の貯金は年間いくらあればいい?貯金の平均を一挙公開
近年、共働き夫婦がますます増えてきています。ひと昔前では結婚、出産を期に仕事を離れる女性が多かったですが、今では子どもを産んだ後でも職場に復帰するケースが多くなってきました。
当然のことながら、共働き世帯は収入が増えることが多いですが、実際のところ貯金はどれぐらいできるものなのでしょうか?
まずは、近年の平均貯金額を頭に入れつつ、効果的な貯金方法を知って実践していきましょう。
(最終更新日:2022年4月11日)
共働き夫婦の平均貯金額
まずは、共働き夫婦の平均貯金額を子供がいる場合といない場合とに分けて、解説していきます。
子供がいる場合の平均貯金額
貯金を始めるにあたって、他の人がどれだけ貯金しているのか気になるところですよね。
2016年の子供がいる世帯の平均貯金額は、700万円程度でした。ここで注意したいのが貯金平均額はあくまでも「平均値」です。この平均値はごく少数の富裕層の貯金額も含まれていますので、金額が引き上げられている傾向があります。
そのため、現実的な貯金額を把握するなら、中央値を見る必要があります。子どもがいる世帯の貯金額は300万円〜400万円未満といわれています。これはすべての世代を含めた貯金額です。
子供がいる家庭で、30代で300万円以上の貯金ができた場合は、上々といえるでしょう。
子供がいない場合の平均貯金額
それでは、子供がいない世帯の平均貯金額はいくらになるのでしょうか?
2016年の全世帯の平均貯金額は、1,033万円程度でした。これは子どもがいる世帯も含めた結果です。子どもがいる世帯の平均貯金額は706万円程度ですから、子どもがいる世帯よりも貯金額が多いことが分かります。
そして、現実的な指標である全世帯の「中央値」は500万円〜700万円未満といわれています。これは比較的貯金額の多い高齢の世帯も含まれているので注意が必要です。
平均貯金額を目安にライフプランを考えてみましょう。
オススメの貯金方法とコツ
平均的な貯金額がお分かりいただけたところで、ここからはどのようにしてそのお金を貯めればいいのか、具体的な方法を解説します。
財形貯蓄を利用する
会社勤めの夫婦の場合、財形貯蓄制度を利用するのがおすすめです。
財形貯蓄とは、企業の福利厚生の一種で、給与から一定の金額を引いてお金を積み立てる制度です。なお、導入していない企業もあるため、自身で確認するようにしましょう。
財形貯蓄を利用すれば、毎月給料天引きでお金を積み立てることができるため、確実にお金を貯金できるメリットがあります。
なお、財形貯蓄制度は用途別に3種類あり、用途を問わない「一般財形」、60歳以降に公的年金とは別に年金を受け取れる「財形年金」、そして住宅購入を目的とした「財形住宅」があります。
「財形年金」と「財形住宅」は、2つ合わせて550万円までの利子が非課税になるメリットがあります。
また、今後マイホーム購入を予定している夫婦は、財形住宅貯蓄がおすすめです。財形住宅貯蓄をしていると、マイホーム購入時に「財形住宅融資」を受けることができます。低金利で融資を受けられるため、マイホーム購入を夢見ている夫婦は検討してみても良いでしょう。
固定費の見直し
共働き夫婦は収入が安定していることが多いですが、ついつい支出が増えてしまいがちです。
特に保険や通信費などの固定費は「必要だから」という考えで増やしてしまいがちです。しかし、思い切って固定費を見直すことで、実は必要なかったことが分かったり、もっと安いプランが見つかったりします。
特に保険は家族状況や年齢によって最適なプランが変化していきます。本当に今の状況に合ったプランかどうか夫婦でよく話し合い、見直すことが大切です。保険をどう見直せば良いのか分からない人は、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談するのがおすすめです。
FPは現在の家族構成や経済状況をヒアリングして金融アドバイスをしてくれます。迷ったときはぜひお願いしてみましょう。
定期預金に貯金する
定期預金を利用するのも、有効な貯金方法です。定期預金は満期まで引き出しができない預金ですが、普通預金と比べて金利が高くなっています。
近年の一般的な利率は普通預金で0.001%ですが、定期預金では0.01%となっています。金融機関によって利率は変わりますので、0.01%以上の定期預金口座を開ける銀行もあります。
定期預金口座にお金を貯めれば、簡単には引き出せませんのでなかなか貯金ができないという人におすすめです。ちなみに途中でお金を出す(解約)場合、通常より利子が低くなってしまいますので注意が必要です。
貯金口座を定期預金にすることで、生活費の口座とお金が混同しないメリットがあります。一緒の口座で生活費と将来の貯金を管理していると、どこまでが貯金分なのか、どこまでが生活費なのか不明瞭になっていまいます。また、これだけ貯金をできたという達成感も得られにくいです。
お金が貯まらない夫婦の特徴
共働き夫婦でも、お金が貯まらないことはあります。それでは、どのような夫婦がお金を貯められないのでしょうか?
ここからは、反面教師の意味で、お金が貯まらない夫婦の特徴について解説していきます。
先取り貯金をしていない
お金が貯まらない夫婦の特徴として「先取り貯金」ができていないことが挙げられます。
先取り貯金とは、収入から先に貯金額を差し引き、残った分を支出に回す方法です。余ったお金を貯金するという方法だと、つい貯金分まで支出にまわしてしまいがちです。余ったお金を貯金に回すよりも、毎月確実にお金が貯まっていきます。
先取り貯金するなら、定期預金や財形貯蓄を始めるのがおすすめです。定期預金なら振替日を給与日に設定しましょう。
家計簿を全くつけない
家計簿を全くつけていないと貯金は貯まりにくいです。
家計簿をつけることで、現在の収支を明確にできるだけでなく、不必要な支出が分かるようになります。また、毎月どの程度まで貯金が可能か、適切な金額を導き出すことができます。
そして、収入から必要な支出を差し引いた額が無理なく貯金できる額ということになります。一般的に共働き夫婦なら収入の30%、片方のみが働いている場合は20%程度が貯金比率の目安です。
最近はスマホで簡単に家計簿をつけられるアプリも登場しています。アプリを活用すれば、仕事帰りなどの隙間時間にささっと家計簿を入力することができます。忙しい共働き夫婦の強い味方です。
貯金の目的を明確にしていない
夫婦で貯金をするなら貯金の目的を明確にしておきましょう。
マイホーム購入資金や子どもの教育費、老後の資金など具体的な目標を決めると、モチベーションが上がり貯金が貯まりやすくなります。
目標が定まったら、何年程度でそれが達成できるか逆算してみましょう。逆算した結果、現状で目標達成が難しい場合は目標を変更したり、働き方を変えられれば変えてみたりするのがいいでしょう。逆に目標達成が容易であれば、もう少し目標金額を高く設定してみましょう。
夫婦でよく話し合えば、貯金をめぐって揉めることもなくなります。
まとめ
共働き夫婦は仕事や家事ともに忙しいという面がありますが、収入が安定しているため、貯金が貯まりやすいというメリットがあります。
しかし、収入があるからといって闇雲にお金を使っていては貯まりにくくなってしまいます。
貯金を貯めるためには、まず自分たち夫婦がどの程度貯金をしたいか明確化して、適切な方法を実行するのが大切です。
特に30代の夫婦は今後住宅購入や養育費などで大きな支出が必要になりがちですので、今から貯金を始めれば安心です。