譲渡性預金(CD)とは?メリットや定期預金との違いを解説!
「譲渡性預金」という言葉を聞いたことがある人は、あまりいないと思います。
それもそのはず。
譲渡性預金は大企業が利用する預金サービスのため、私たち個人が利用することはないからです。
しかし、譲渡性預金は投資信託の運用先として組み入れられていることが多くあり、私たちは「間接的」に譲渡性預金に投資していると考えられます。
そのため、譲渡性預金という言葉を知っておいて決して損はないでしょう。
まずは簡単に、譲渡性預金のポイントを以下にまとめてみました。
- 預金口座を、残高をそのままの状態で第三者に譲渡できる
- 大企業が利用する預金サービス
譲渡性預金のポイントをご理解いただいた上で、これから具体的な内容を見ていきましょう!
(最終更新日:2022年3月7日)
譲渡性預金(CD)とは?
まずは譲渡性預金の基本からしっかりと押さえましょう。
譲渡性預金は定期預金の一種
譲渡性預金と聞くと「何だか難しそう、、、」と感じる人も多いと思いますが、譲渡性預金は「定期預金」の一種です。
つまり、譲渡性預金にはあらかじめ満期日や利息が定められていて、原則途中で解約することはできません。
ここまでは普通の定期預金と一緒です。
ですが、譲渡性預金の一番の特徴として、譲渡性預金をそのまま第三者に「譲渡」できることが挙げられます。
譲渡性預金は、たとえ満期前でも、預金口座をまるまる第三者に譲ることができるのです。
譲渡性預金のこのユニークな仕組みは、企業が資金調達をする際に利用されます。
- 満期日や利息が決まっている、定期預金の一種
- 満期前も第三者に譲渡できる
- 企業が資金調達をする際に利用される
譲渡性預金は預金保険の対象外
譲渡性預金は、定期預金と違って預金保険制度(※)の対象外です。
万が一預入先の金融機関が倒産しても、預金が保護されることはありません。
(※)預金保険制度とは、金融機関が破綻した時に、預金者の資産を保護するための制度です。1つの金融機関ごとに、元本1,000万円までとその利息が保護されるようになっています。
譲渡性預金の「CD」とは?
譲渡性預金は「CD」と略されますが、CDは「negotiable Certificate of Deposit」の頭文字を取ったものです。
なお、CDは他の投資用語とかぶることがあるため、それと区別するため「NCD」と呼ばれることがあります。
譲渡性預金のメリットとデメリットは?
企業にとって、譲渡性預金を利用することにはメリットがあります。
ここからは、譲渡性預金を利用するメリットとデメリットを解説します。
【メリット】資金調達の手段として利用できる
例えば企業が普通の「定期預金」でお金を管理していた場合、急遽資金が必要になった時に、定期預金を途中で解約して預金を引き出す必要があります。
しかし、定期預金を途中で解約してしまうと、ペナルティーが課されて金利が下がってしまいますので、あまりいいことではありません。
せっかく高い金利で預けていたのに、これでは無駄になってしまいます。
そこで「譲渡性預金」の登場です。
譲渡性預金なら、途中で解約することなくそのまま預金ごと第三者に譲渡することができます。
このように、企業は定期預金を解約することなく資金調達が実現できるのです。
必要な時にいつでも「換金」できる定期預金が、譲渡性預金なのです。
なお、譲渡性預金を譲渡する時には、市況によって、預金額より高い金額で譲渡できたり、低い金額で譲渡できたりします。
そう言う意味では、預金と言いつつも「投資商品」としての側面も持ち合わせています。
- 企業は譲渡性預金を譲渡することで資金調達ができる
【デメリット】最低5,000万円ほどの資金が必要
譲渡性預金を利用するためには、最低5,000万円ほどの資金を預け入れる必要があります。
この金額から分かる通り、譲渡性預金は個人が利用するものではなく、金融機関や大企業、機関投資家が利用する商品です。
- 最低でも5,000万円程度の資金が必要
譲渡性預金のまとめ
「譲渡性預金」という言葉は、投資信託などを調べていると、その運用先として頻繁に出てきます。
しかし、その単語の意味を理解している人は意外と少ないと思います。
投資用語を理解しているか理解していないかは大きな違いですので、譲渡性預金の意味は頭の片隅に入れておきましょう。