FXの強制ロスカットの計算方法!強制決済を避け利益を最大化する方法とは?
FXには「ロスカット」という仕組みがあり、ロスカットが行われると強制的に決済が行われてしまうため、多くの投資家から恐れられています。
ロスカット本来の目的は投資家を損失から保護することですが、ロスカットについて理解しておかないと、とんでもない損失を抱えることになりかねません。
また、「ロスカットの計算方法がいまいち分からない」という人も多くいるはず。
そこで今回は、そんなロスカットの基本と、ロスカットの計算方法について解説します。
(2022年4月13日更新)
FXとロスカット
FXを始めるなら、ロスカットへの理解が不可欠です。
まずはロスカットの基本を改めて確認しましょう。
FXのおさらい
そもそもFXとは、日本語に直すと外国為替証拠金取引のことをいいます。
少額の資金から投資を始められるFXは、24時間トレードできるとあって、サラリーマンや主婦の副業として人気があります。
しかし、FXは常に儲かるというわけではありません。時として、大きな損失を出してしまうこともあります。
この記事で紹介するロスカットは、本来は投資家を損失から守るための取り決めです。
しかし、ロスカットによって逆に損失が出てしまうことがあります。
メリット・デメリットどちらもあるロスカットについて、ぜひこの記事で理解を深めてくださいね。
ロスカット=強制決済
ロスカットは、FXで「含み損」が大きくなりすぎた時に、自動的に行われる強制決済のことをいいます。
そもそもFXには、株の取引のように「ストップ高」や「ストップ安」といった価格の振れ幅を調整する仕組みが存在しません。
そのため、為替レートが一気に変動することが多くあります。
また、レバレッジをかけることができるため、株式投資以上に損失が一瞬で膨らむ恐れもあります。
こういった突然の損失から投資家を守るのが、ロスカットのそもそもの目的です。
投資家がある一定水準の含み損を抱えると、ロスカットが自動的に発動され、投資家のポジションが解消されるようになっています。これにより、投資家の損失がそれ以上膨らまないようになっています。
- FXは価格の振れ幅が大きく、またレバレッジがあるため、投資家の損失が大きく膨らむ可能性が高い
- ロスカットにより、投資家の損失は一定水準に抑えられるようになっている
参照:GMOクリック証券
ロスカットは自動的に行われる
ロスカットは、投資家が希望していようがいまいが勝手に発動される制度です。
一時的に価格が大きく変動しただけで、含み損がすぐに解消されるような相場でも、ロスカットは容赦無く発動され、投資家は本来抱えるはずのなかった損失を抱えてしまいます。
ロスカットにならないために、投資家は証拠金維持率に注意する必要があります。
証拠金維持率が重要
ロスカットは、あらかじめ設定されている「必要証拠金維持率」を下回った時に行われます。
証拠金維持率とは、担保としてあらかじめ預け入れた証拠金のうち、現在の含み損を差し引いた金額の割合です。
必要証拠金維持率を下回ると、ロスカットが適用され、投資家にとって不利な為替レートであっても、即時に決済が行われるようになっています。
ロスカットによって証拠金の大半を失うことになりますが、証拠金以上の損失が発生することを防げます。
証拠金維持率はFX会社によって異なりますが、20%〜30%の間で設定されているところが多いです。
中には自分で設定できる会社もあるようですから、取引を開始する前に自分で確認しましょう。
ちなみに、いきなりロスカットが行われるわけではなく、証拠金維持率が50%〜70%あたりを下回ると「マージンコール」と呼ばれる警告がFX会社より発せられます。
このマージンコールで、証拠金の追加の預け入れを求められます。
この時点で証拠金を追加すれば、ロスカットは発動されません。
ロスカットの計算方法
ロスカットについて理解を深めるためには、自分自身でロスカットの計算ができるようになることが大切です
ロスカットの計算方法は各FX会社のホームページに説明がありますので、ざっくりでもいいので内容を理解しておきましょう。
ロスカットシミュレーションを利用しよう
ロスカットのレートを確認するには、FX会社の提供するロスカットシミュレーションを利用するといいでしょう。
情報を入力するだけで、簡単にロスカットのレートを確認することができます。
ただし、自分で一回はロスカットの計算をしてからシミュレーションを利用しましょう。
参照:GMOクリック証券
ロスカットを防ぐ!正しい対処方法
ここからは、ロスカットを防ぐための正しい対処方法を解説します。
まずはロスカット率を確認してみる
ロスカットに対処するには、まずはどのような時にロスカットが発動されるか、ロスカット率を確認するといいでしょう。
例えば、ロスカット率が30%で証拠金が100万円の場合を考えてみます。
この場合、70万円の含み損が出そうな時にロスカットされることになります。
これを基準に、あなたが保有する通貨の為替レートがいくらになったらロスカットが行われるか常に頭の中に入れておきましょう。
レバレッジを1倍にする
レバレッジを効かせると、何倍もの利益を狙うことができますが、損失が数倍に拡大するリスクもあります。
レバレッジを効かせれば効かせるほど、ロスカットされる可能性が高まるのです。
であるならば、投資初心者のうちは、レバレッジを1倍にして取引するのがいいでしょう。
また通貨単位を1,000通貨や10,000通貨単位で始めるのではなく、1通貨単位で始めるのも手です。
FXに慣れるまではリスクを抑えて運用し、慣れてきてからレバレッジを使うようにしましょう。
強制ロスカットされる前に損切りする
ロスカットが行われる前に、自身で損切りするのも一つの手です。
そうすれば、ロスカットされるよりも損失を小さくできます。
投資初心者がFXで失敗する理由として、損失が出てもそれを放置してトレードを続けてしまうことです。
そうすると、どんどん損失が膨らんでいって、損失が出てしまいます。
ではなくて、自分で損切りラインを設定し、いかなる時にもそれを守ることが大切です。
ロスカットはあくまで最終防衛ラインですので、そこまで損失が膨らまないように、自分の中で損切り基準を決めるようにしましょう。
ロスカットには大きなデメリットがある
ここまでロスカットの仕組みを解説してきました。
最後に、ロスカットに隠された大きなリスクを解説します。
損失が確定するから
ロスカットの最大のデメリットは、ロスカットが起きた時点で「損失」が確定することです。
含み損のままなら良かったものを、ロスカットが起きると完全に損失が確定しますから、投資家にとっては恐怖でしかありません。
損失が証拠金を上回った瞬間、借金が確定しますね。
ロスカットは必ずしも投資家を守るものではなく、逆に投資家の首をしめることにもつながるのです。
為替レートが乱高下するとうまく機能しない
本来ロスカットというのは、投資家を守る優れた仕組みですが、時にはそれがうまく機能しないこともあります。
それは為替レートが急激に乱高下した時です。
例えば、レートが急騰してまたすぐに戻った時には、結果的にはロスカットは発動されなくても良かったはずですが、機械的にロスカットが行われるため、投資家が望まない形でポジションが解消されることになります。
強制ロスカットが起きないように十分に証拠金を入れて取引することが大切です。
複数の通貨ペアが連鎖的にロスカットされる
FXでは、リスク分散のため、いくつもの通貨ペアを同時に保有することが普通です。
ですが、複数の通貨ペアを持っている時にロスカットが起きると、連鎖的にロスカットされることがあります。
一つの通貨ペアでロスカットが起きる
↓
証拠金が減る
↓
他の通貨ペアがロスカットされる
↓
証拠金が減る
↓
別の通貨ペアがロスカットされる
上の流れのように、ロスカットが次のロスカットを生み、一瞬で借金地獄にハマることがあります。
正直、ロスカットが連鎖するのは、相当怖いですね。
複数の通貨ペアに投資するときには、証拠金維持率に細心の注意を払う必要があります。
FXの強制ロスカットの計算のまとめ
ここまで、FXのロスカットについて解説してきました。
1回のロスカットが他の通貨ペアのロスカットを生む無限地獄に陥ったら、恐怖でしかないですよね。
しっかりとFXの仕組みを理解してから取引を始めましょう。