なぜ仕組債に投資してはいけないのか?ノックインって何?
仕組債とは
富裕層を中心に人気があるのが、仕組債と呼ばれる債券です。
仕組債は、オプションやスワップなどのデリバティブ(金融派生商品)を組み入れた債券のことで、満期や利子が市場の動向によって変動する特徴があります。
仕組債は通常の債券よりもリスクが高い分、利回りが高いというメリットがあります。例えば、日経平均株価を指標とする仕組債の場合には、年利で5%ほどのリターンが狙えます。
仕組債を発行するのは主に海外の金融機関です。アレンジャーと呼ばれる証券会社を通じて債券を発行し、資金調達を行います。
仕組債のノックインとノックアウトとは
仕組債独自の特徴が、「ノックイン価格」があることです。
あらかじめ決められた判定日の時点で、参照する銘柄の価格がノックイン価格の範囲内で推移すれば、通常の債券のように満期日に額面金額で償還されます。
しかし、一度ノックイン価格に触れてしまった場合には、例えば利子の支払いが減少したり、償還金額が元本割れを起こしたりする恐れがあります。
ノックインしない限りは、仕組債は利回りが高いため非常に魅力的な債券ですが、ノックインすると損失が出る恐れがあります。
仕組債に投資する際の注意点
仕組債の注意点としては、当初の想定よりも利子や元本が減少する恐れがあることです。
例えば、日経平均株価を参考指標とする仕組債の場合、日経平均株価が高値で推移していれば何の問題もありません。
一方、日経平均株価が一度でもノックイン価格を下回ると、投資家は元本割れに晒されることになります。
仕組債に投資する際には、どういった時にどのような損失が発生するのか、確認した方が賢明です。
また、仕組債には見えない「手数料」が存在します。
投資信託では目論見書に運用コストが明示されていますが、仕組債ではそのコストが公表されていません。証券会社がコストを仕切り価格という形で投資家に転嫁しているのです。
リターンが高いということは、リスクも高いということです。仕組債に投資する時には、投資の原則をしっかりと理解し、堅実に投資しましょう。