築古木造アパートのメリット・デメリットとは?
不動産投資の勉強をしていると、木造アパートを支持する人とRCマンションを指示する人で投資家の意見が分かれるものです。
結局、木造とRC、どちらに投資する方が有利なのでしょうか。
今回はこの2つについて、木造アパート目線から比較・検討してみました。
(最終更新日:2022年5月5日)
木造アパートのメリット
それでは、木造アパートにはどんなメリットがあるのでしょうか。
RCマンションと比較しながら考えてみます。
減価償却費が短い期間で取れる
木造の耐用年数オーバーの物件の場合、減価償却費は4年取ることができます。
建物の価値を4年という短期間で償却しますので、木造アパートの保有期間中は、ほとんど税金を支払わずに済むでしょう。
よって、耐用年数オーバーの木造物件は、節税目的で購入する投資家向けの物件でもあります。
ところが逆に言うと、保有から5年経つと減価償却費が切れるため、物件を売却するなり、他の物件を買って節税するなり、何らかの手を打つ必要があります。
一方、RCの場合には、耐用年数オーバーでも償却期間が9年ですので、耐用年数切れの物件を購入した場合には、木造の方が有利になります。
固定資産税が安い
木造物件の固定資産税は安いです。
RCと比べてどれぐらい安いかというと、同じ床面積なら1.5倍ほど安くなります。
税金の計算ルール上、木造物件は急激に劣化するので固定資産税も新築時から急激に安くなり、RCは長期間使用できるので高いままということになっています。
ですので、固定資産税の単純な金額の比較という意味では、木造物件に軍配が上がるでしょう。
ただし、固定資産税は投資全体から見れば大きなウェイトを占めるわけではありません。
よって、固定資産税にそこまでこだわる必要はなく、むしろ物件を購入する前段階でしっかりと収支計算をしておけば問題ないでしょう。
修繕費用が安い
修繕費用から見ると、木造物件が完全に勝利するでしょう。
というのも、木造物件は構造が非常にシンプルであるため、修繕費用を安くすることができるのです。
例えば、RCマンション場合には、水周りのトラブルがあった場合、排水管がコンクリートの中にあるため、リフォームや修繕が困難であったり、漏水の原因を探るために広範囲にわたって修繕をする必要が出てきます。
一方、木造物件の構造はシンプルで、配管も露出しているため、原因究明や修繕が容易にできます。
また、水を送る用のポンプや排水用の設備が必要ないのも木造のメリットです。
木造アパートは通常2階建てですので、ポンプで水を汲み上げることなく、直接、公営水道管の水圧で水を引くことができます。
これがRCマンションですと、ポンプがあったり、浄化槽があったりして、それだけで相当の維持費がかかります。
ここまで修繕費について書いてきましたが、一般的に物件の規模が大きくなるほど、全体に占める修繕費用の割合は小さくなります。
ですので、大きなマンションを購入する場合には、修繕のことよりもいかに入居付けするかなどの収益面をより重視した方がいいかもしれません。
逆に規模の小さい物件を購入する場合、大規模な修繕をすると大変なことになりますので、購入前に状態を見極めることが大切です。
木造アパートのデメリット
ここからは、木造アパートのデメリットについて、RCマンションと比較しながら見ていきましょう。
都心では木造よりもRCの方が需要がある
都心部では、木造よりも鉄骨やRCの方が賃貸需要があります。
理由としては、木造住宅の場合には防音性に問題があるというイメージがあるためです。
一方、地方の場合、多くの物件が木造であるため、木造だからといって敬遠されることはありません。
ですので、都心部ではRCマンションを狙って、地方では木造を狙うという住み分けもいいかもしれません。
木造は古くなると急激に賃料が下がる
木造物件は、長期的に見ると、古くなるにつれて急激に家賃が下がる傾向があります。
一方のRC物件の場合、一定程度まで家賃は下落しますが、それ以降は安定を保つ傾向があります。
具体的には、木造物件は築20年を超えると急激に家賃が下がりますが、RC物件は築20〜40年の間、ほとんど家賃が変わらないようです。
長期保有をするのなら、木造物件は経年劣化に弱いことを肝に銘じておきましょう。
規模拡大に向かない
木造物件の場合には、RC物件と比べて規模がそもそも小さいため、規模拡大にはあまり向きません。
例えば、木造アパートでは8部屋のものは見ますが、RCマンションのように20部屋、30部屋もあるようなものはありません。
木造物件だと3棟買わないと達成できない収入が、RCマンションでは一棟で実現できる可能性があるのです。
また耐用年数も長く担保価値も高いことから、銀行からも物件の価値を高く見てもらえます。
まとめ
ここまで、木造物件とRC物件について比較しながら見てきました。
やはり、サラリーマンがリタイアを目指すなら、規模の大きいRCマンションの方がいいのでしょう。
ただし、RCマンションを融資で買えるのは、それなりに年収が高く、信用力が高い人に限定されるでしょう。
普通のサラリーマンは、まずは木造アパートで実績を積んで、次のステップとしてRCマンションに乗り出した方がいいのかもしれません。