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外国債券の5つのリスクとメリットとは?海外債券への投資方法を解説

この低金利の中、銀行にお金を預けていても、「利息」はほどんとつきません。

むしろ、インフレが進行している日本で銀行にお金を預けていると、お金の価値がどんどん目減りしていってしまいます。

そんな中、私たちにいま求められているのはお金を効率的に増やすことです。

だからといって、投資を始めようにもリスクが怖くて一歩踏み出せない人も多いのではないでしょうか?

実は、そんなあなたに朗報があります。

「外国債券(外債)」に投資すれば、リスクを抑えつつも高いリターンを狙っていくことができるのです。

そこでこの記事では、数ある投資の中でも外国債券に焦点を当てて解説していきます。

外国債券の「リスク」は気になる人が多いと思いますので、外国債券のリスクを中心に、外国債券のメリット、外国債券のオススメの投資方法を解説します。

なお、外国債券の基本ついては、以下の記事がおすすめです。

(最終更新日:2022年4月26日)

まずは債券の基本から確認しよう!

外国債券の説明に入る前に、まずは「債券」の基本から確認していきましょう。

債券の基本が理解できれば、外国債券も簡単に理解できます!

そもそも債券とは?

そもそも「債券」とは、国や地方公共団体、企業などが、資金調達のために発行する証券のことをいいます。

囲債券にはあらかじめ金利や償還日、償還金額が定められており、債券を保有することで、定期的に利息がもらえたり、満期まで保有することで元本が戻ってくるようになっています。

つまり、債券を発行した発行体が潰れない限り、債券は必ず元本が戻ってくるということです。

なお、元本が保証されている代わりに、債券は途中で解約することができません。

しかし、途中で解約できないからといっても、債券は債券市場でいつでも売買することができます。保有する債券に買い手がいれば、いつでも市場で換金できるのです。

もちろん市場で売却する時には、市況によって元本割れをおこしたり、反対に利益が出ることもあります。

ただ、債券投資の基本は「満期」まで保有することです。

満期まで保有してさえいれば、債券は発行体が破綻しない限り元本が必ず返ってきますし、利息ももらえますので、損することはありません。

参照:東海東京証券株式会社

外国債券とは

債券は世界中にある様々な国や企業、団体が発行しています。

国が発行すれば国債、企業が発行すれば社債、地方公共団体が発行すれば地方債と呼ばれます。

同じように、日本国内で発行された債券を国内債券、日本国外で発行された外貨建ての債券のことを「外国債券」といいます。

この記事では取り上げるのは、外国で発行された債券である「外国債券」です。

外国債券は、国内債券と違ってリターンとリスクともに高い商品となります。

詳細については、次の章から解説していきます。

外国債券は金利が高い

外国債券は、国内債券と違って金利が高い特徴があります。

例えば世界の国債の金利を見てみると、南アフリカで6.75%、インドで6.5%、トルコに至っては24%もの高金利となっています(2018年12月時点)。

日本の国債がマイナス金利の中、外国債権の利回りは非常に魅力的に映ります。

また、外国債券の場合には為替レートの影響を受けますので、為替が有利な方向に動けば為替差益を得ることもできます。

このように、外国債券は私たち投資家にとって非常に魅力的な金融商品なのです。

外国債券にもリスクがある

先ほど外国債券は金利が高く魅力的であるという話をしてきました。

ですが、気をつけなければならないのが、外国債券にも「リスク」があるということです。

債券の一番のリスクは、債券の発行体が何らかの理由で利息や元本の支払いができなくなることです。

これを「デフォルト」といいます。

デフォルトになると、元本の一部しか返ってこなかったり、最悪のケースでは、一円も取り返せないことがあります。

債券に投資する時には、発行体の支払い能力(信用力)を確認することが大切です。

ところで、債券と同じような安全資産に定期預金があります。

定期預金も安全資産としては一般的ですが、定期預金は仮に金融機関が破綻しても、1,000万円までの元本とその利息が保護されるようになっています。

そういう意味で、債券よりも定期預金の方がリスクは低いといえます。

外国債券の5つのリスク

ここからは、外国債券に潜むリスクについて解説します。

外国債券は海外に投資するものだからこそ、国内債券にはないリスクがあります。

5つのリスク
  • 為替リスク
  • 信用リスク
  • カントリーリスク
  • 価格変動リスク
  • 流動性リスク

為替リスク

外国債券に特有のリスクが、為替リスクです。

為替リスクというのは、為替レートが変動することによって、損失が出るリスクです。

例えば、満期時に為替レートが円高になってしまうと、日本円に戻したときの利益が少なくなってしまいます。
せっかく外国債券の運用から利益が出ていても、場合によっては日本円換算時に収支がマイナスになることもあります。
反対に、満期時に円安になれば、日本円に換算した時に利益が出ます。

外国債券に投資する際には、為替リスクがあることはくれぐれも忘れないようにしましょう。

参照:三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社

信用リスク

外国債券に投資する時には、信用リスクにも注意が必要です。

信用リスクとは、発行体が破綻して元本や金利が支払われなくなるリスクです。

ちなみに、元本が回収できなくなったり、利払いが遅れることをデフォルト(債務不履行)といいます。

また、破綻とはいかないまでも、発行体の経営が悪化して信用リスクが高まり、債券の価格が下落することもあります。

一度信用リスクが高まると、市場で債券を売ろうにも価格がほとんどつかなくなるため、大きな損失が出流と考えられます。

デフォルトリスクを100%避けることはできませんが、格付け会社の信用格付けを参考にして、なるべくリスクが低い債券を選ぶといいでしょう。

カントリーリスク

カントリーリスクとは、外国債券の発行体が所属している国の政治や経済的な情勢の変化によって、債券になんらかの影響が及ぶリスクです。

例えばクーデターが起きたり経済危機が起きると、それにつられて債券の価格が暴落したり、最悪の場合には元本が支払われなくなる恐れがあります。

通常、発展途上国などの債券は金利が高いですが、その分カントリーリスクも高くなる特徴があります。

外国債券に投資するなら、リターンとリスクのバランスをしっかりと見極めることが大切です。

価格変動リスク

通常、債券は満期まで保有するのが普通です。

しかし、債券を途中で売却する時には、価格変動リスクを考慮に入れる必要があります。

債券の価格は、市場金利と相反する関係にあり、市場金利が上がると債券の価格は下がり、反対に市場金利が下がると、債券の価格は上昇します。

しかし、債券の価格推移を予想するのは非常に難しいため、満期保有を前提に投資を進めるのがいいでしょう。

参照:三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社

流動性リスク

流動性は、債券の換金のしやすさを表しています。

つまり、流動性リスクとは、債券を売りたくても買い手がいないため売れなくなるリスクです。

例えば、高金利だけに目がいってマイナーな債券に投資してしまうと、いざ市場で売却しようにも買い手が現れず、いつまで立っても売却できなくなります。

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外国債券に投資する3つのメリット

たしかに外国債券にはリスクがありますが、そのリスクを上回るメリットがあるもの事実です。

ここからは、外国債券のリスクを解説します。

3つのメリット
  • 高いリターンが期待できる
  • 元本が戻ってくる
  • 為替の動向次第で利益も狙える

高いリターンが期待できる

外国債券のメリットは、何と言っても国内債券よりも金利が高いところです。

特に日本はゼロ金利政策の影響で金利が非常に低いので、外国債券の金利は非常に魅力的です。

外国債券には金利が2〜4%程度の債券が多くありますが、日本の国債の金利はせいぜい0.06%程度です。

外国債券との間に40倍近くの金利差があるのです。

流石にこれだけ開きがあると、多少リスクを冒してでも外国債券に投資したくなりますね。

ところで、外国債券の金利はなぜ高いのでしょうか?

その理由は、外国債券の発行体の信用力が低いからです。

お金を貸しても返ってくる可能性が低いため、外国債券の金利はそれだけ高くなるのです。

外国債券の中でも、経済基盤が不安定な新興国や発展途上国は、特に金利が高い傾向にあります。

元本が戻ってくる

外国債券は金利が高く魅力的ですが、「債券」であることに変わりはありません。

つまり、発行体が破綻しない限りは、元本や利息は戻ってきます。

金利は高いのに元本が手堅い外国債券は、下手に株式などに投資するよりも、よっぽどいい投資先かもしれませんね。

為替の動向次第で利益も狙える

外国債券は外貨建ての債券ですので、為替レートが有利に動けば、それだけ利益も大きくなります。

例えば、債券購入時に円高、満期時に円安だった場合、債券の利息に加えて為替差益も利益として受け取ることができます。

ただ、為替の値動きを予想するのは非常に難しいので、為替差益はあまり期待しない方がいいでしょう。

外国債券の4つの注意点

最後に、外国債券に投資する際の注意点を解説します。

4つの注意点
  • 中途換金できない
  • 長期で保有する必要がある
  • 高いリターンには理由がある
  • NISAは利用できない

中途換金できない

債券は基本的に中途換金できず、満期まで保有し続ける必要があります。

緊急でお金が必要になっても、途中で換金することはなかなか難しいです。

つまり、外国債券をはじめとした債券に投資する時には、直近で使用予定のない余剰資金を使うのがポイントです。

ただ、債券の取引市場はしっかりと整備されていますので、債券を市場で売ってしまえば、いつでも換金することはできます。

長期で保有する必要がある

債券はローリスク・ローリターンな金融商品で、長期保有が大前提です。

大金を稼ぎたいとか、短期で儲けたいと考えている人には、債券は全くお勧めできません。

なお、長期間にわたって資金が拘束されますので、直近で使用予定のない「余剰資金」で投資を行うのが原則です。

一度投資したら満期まで根気よく待ち続けことが投資で失敗しないポイントです。

参考:「投資で失敗し400万円損したサラリーマン投資家が明かす投資で失敗する人の特徴」

高いリターンには理由がある

例えば、破綻の危機にある国が国債を発行しても、そんな国債、誰も買おうとしませんね。

そのため、金利を高く設定することで、どうにか国債を買ってもらうわけです。

これが高利回りな債券の裏の顔です。

つまり、「ハイリスク・ハイリターン」という言葉がある通り、リターンが高いということは、それだけリスクも高いということなんですね。

高いリターンを狙って投資しても、デフォルトしてしまったら何の意味もありませんので、リスクとリターンの関係はしっかりと頭の片隅に入れておきましょう。

NISAは利用できない

外国債券を始めとした債券は、NISA(少額投資非課税制度)の対象とはなりません。

NISAが適用されれば、税金がかからないため高金利のメリットが最大限享受できますが、それはできないのです。

意外と忘れがちなので、注意しましょう。

参考:「NISA(ニーサ)口座のデメリット8つとメリットとは?問題点と欠点を理解しよう」

外国債券のリスクのまとめ

高利回りの外国債券を見ると、ついつい投資したくなりますよね。

ですが、それは「ハイリスク」の裏返しに過ぎないことが分かっていただけたと思います。

しっかりと外国債券のリスクを理解し、堅実に投資を行いましょう。

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