銀投資の方法と将来性は?純銀積立をはじめいろいろな投資がある!
銀は古代からその美しさが愛され、アクセサリーや食器に使われてきました。また、その美しさだけでなく金属としても希少性が高いため、貨幣として使われてきた歴史があります。
現代でもその価値は無くならず、今では銀投資として投資対象としても扱われています。
この記事では、そんな銀投資の魅力についてご紹介します。
(最終更新日:2022年3月24日)
銀の特徴と銀投資の魅力
銀にはどのような特徴と魅力があるのでしょうか?銀という金属の特徴と銀投資の魅力をご紹介します。
銀は宝飾品などとして利用されている
銀は古くから宝飾品として重宝されており、指輪やネックレスなどのアクセサリーの他にも、食器など様々なものに使われています。
古代エジプトでは金よりも重宝されていたといわれています。
また、銀は長期間使用していると酸化して黒ずんできますが、これをいぶし銀といい、渋みや趣が増すため好む人たちもいます。
それ以外にも、銀には薄く広がる展性の性質があるため、薄く伸ばして銀箔として利用することもできます。
銀には工業用としての需要もある
銀といえば白く輝く宝飾品というイメージがありますが、実は工業用としても使われています。
例えば、鏡、ソーラーパネル、フィルムカメラの感光材、殺菌装置などです。医療用では虫歯治療に使う銀歯や、鍼(はり)治療用の銀製の鍼に使われています。
また、銀は電気抵抗率が低く電気伝導率が良いという性質をもっているため、電線として使われることもあります。
貨幣としての銀
古くから銀は金とともに貨幣として利用されてきました。その希少性から、日本だけでなくほとんどの国で銀貨が流通していたのです。
歴史上の貨幣といえば金貨がイメージされますが、希少性が高すぎる金よりも銀のほうが広く流通され貨幣としての機能を果たしました。実際、中国では1935年まで金ではなく銀本位体制をとっていたぐらいです。
現在では銀を貨幣として用いることはなくなりましたが、今だに投資用銀貨や記念銀貨が発行されています。
比較的安く買える
銀は金と比べて価格が安く、投資の際には初期投資費用を抑えられるのが魅力です。
銀は宝飾品や産業用など様々な需要がありますが、一方で貴金属の中でも産出量(供給量)が多いため、価格は比較的安いのです。
歴史上の銀は、金と同じように希少で高価な存在でしたが、16世紀に南米から大量の銀がヨーロッパに流入し、金との価格差が開きました。そして現代に入って銀が貨幣として使われなくなり、更に銀の価格が下落しました。
2022年の金の価格は1gあたり8,300円程度ですが、対する銀の価格は1gあたり111円程度で推移しています。銀と金の価格には80倍近く差があるのです。
なお、銀は金のようにリサイクルされないため、将来ストックが減ると予想されています。将来価格が緩やかに上昇すると考えている投資家もいます。
銀投資のリスク
投資にはリスクがつきもの。それでは、銀投資にはどのようなリスクがあるのでしょうか?
銀は価格変動が激しい
銀は金よりも価格の変動幅が大きく、売り買いのタイミングを掴むのが難しいといわれています。
銀は金と同じようにドルの動きに影響される側面がありますし、また銀は工業製品の需要に左右されやすい面も持ち合わせています。そのため、景気が悪くなると銀の価格が下がりやすくなる傾向があります。
また、近年では太陽光発電装置に銀が使われていますので、銀の価格は太陽光発電事業の動向にも左右されるといわれています。
さらに、銀は金よりも市場が小さいため、大量の売買があるとすぐに相場がぶれるという特徴もあります。
しかし、価格変動リスクがあるということは、成功すれば大きな利益を得られるということでもあります。価格変動が大きい銀へ投資するなら、より一層慎重になった方がいいでしょう。
手数料が割高
銀は金と比べて売買手数料が割高です。
銀1キログラム当たりの購入手数料は6,000円〜8,000円程度が相場です。対して金は、取引が500グラムを超えると売買手数料が無料になることが多いです。
銀の売買手数料がこれほど高い背景には、銀の流通量が少ないことと、金と比べて手入れが必要なことが挙げられます。
銀投資の種類
銀投資といっても、その種類は「純銀積立」「銀ETF」など様々な種類があります。ここからは、銀投資を種類ごとに解説していきます。
純銀積立
純銀積立とは、毎月一定額の銀を自動で購入する投資方法です。
純銀積立を取り扱う会社は少ないですが、少額から投資できることや、価格変動リスクを抑えられるメリットがあります。
純銀積立は毎月3,000円程度から始められるため、初心者の方や、初期費用を抑えたい人に向いています。また、一度自動積立の設定をすれば、あとは毎月自動的に引き落としがされるため、手間がかかりません。
そして何より毎月コツコツ積み立てることで、価格変動リスクを吸収し、購入単価を下げられるメリットがあります。これをドルコスト平均法といいます。
純銀積立では、会社側が毎月の積立額から日割りにして銀を購入していきます。価格が高い日には少なく、逆に安い日には多く買うことができるため、結果的に平均購入単価を下げることができます。
参照:田中貴金属
地金売買
伝統的な銀投資の方法は、地金(じがね)の売買です。
地金とはいわゆる「延べ棒」のことで、インゴットとも呼ばれます。
銀地金の楽しさは何といっても手元に実物の銀を置いておけるということです。もちろん、保管に手間と費用が掛かりますが、特別感を味わうことができます。
銀地金は貴金属販売店で購入することができます。最低購入量は販売店によって異なりますが、10キログラムからであることが一般的です。
銀地金を購入する際には、盗難に注意した保管方法を選択することが大切です。
手元に銀を置いておきたい人は、金庫を購入しましょう。それでも盗難が心配な人は、ホームセキュリティーを導入すると安心です。
自宅で保管するのが不安な人は、手数料はかかりますが銀行の貸金庫を使うのもありです。なお、貸金庫を借りるには条件がありますので、銀行側に事前に確認しておきましょう。
銀貨
銀地金よりも少ない資金で購入ができるのが銀貨です。
投資用に作られた銀貨で有名なのが、イギリスが発行するブリタニア銀貨や、オーストリアのウィーン銀貨です。どちらもそれぞれの国をイメージした美しいデザインが描かれています。
また、実際に貨幣として使われていたアンティークコインはコレクターに人気があり、銀としての価値だけでなく、残存枚数からくる希少性も評価されます。
銀貨のデメリットとしては、錆びやすいためケースに収納して酸化を防ぐ必要があることと、利幅が小さく短期間での利益を得るのが難しいことが挙げられます。
銀貨は銀地金のように、長期保有に向いています。
銀ETF
銀ETFは、先物価格に連動することを目標とした上場投資信託です。
銀ETFは銀の価格とほぼ同じ値動きをし、株式投資と同じように取引所が開いていればいつでも取引できます。
また、銀ETFは他の投資方法と比べて、少額から投資ができるのが魅力です。
銀ETFの種類は金ETFと比べると少なく2種類しかありませんが、金と比べて銀の方が値動きがあるため、リスクがある分早い段階で結果を出しやすい特長があります。
銀ETFのデメリットは、他のETFと比べて出来高が少ないことです。
出来高とは売買が成立した数をいいますが、出来高が少ないとなかなか取引が成立せず、相場が上がり調子でも売り注文が成立しない恐れがあります。
いずれにしろ、長期保有を前提に考えた方がいいでしょう。
銀投資の魅力のまとめ
銀は金のように美しいだけでなく、銀そのものに価値があるため、銀の価値が失われることはありません。
銀は金のような普遍的価値を持ちながらも、単価が安く初期投資費用を抑えられるため、資産の一部を銀で持つことも検討してもいいかもしれません。