資産管理会社の5つのメリットとデメリットをわかりやすく解説!
資産管理会社とは、その名の通り資産を管理する目的で設立される会社(法人)のことを言いいます。
資産管理会社を設立すると、節税できたり相続対策ができるため、大きなメリットがあります。
投資の規模がある程度大きくなってきた人は、資産管理会社の設立を検討するといいでしょう。
また、法人を設立すれば、あなたは「社長」になることができます!
こんなに嬉しいことはないのではないでしょうか?
ということで、この記事では、資産管理会社を設立するメリット・デメリットに焦点を当て、できるだけわかりやすく内容を解説していきます。
なお、資産管理会社のメリットとデメリットについて、以下に簡単にまとめておきます。
- 税率が低い
- 経費として認められるものが増える
- 所得を分散できる
- 相続対策になる
- 社長になれる!
- ランニングコストがかかる
- 税金の勉強が必要
- 社会保険料を支払う必要がある
(最終更新日:2022年3月13日)
資産管理会社とは?基本を再確認
資産管理会社を設立すると、「個人」では受けることのできない様々なメリットを享受することができます。
まずは資産管理会社の基本から確認しましょう。
資産管理会社とは
資産管理会社とは、不動産や金融商品などの管理を目的として設立される会社です。
普通の会社のように営利目的で活動は行わず、もっぱら投資家の資産管理のためだけに利用されます。
「プライベートカンパニー」とも呼ばれます。
資産管理会社を設立することで、税制上有利になったり、相続対策ができるため、有利な形でビジネスを進められるようになります。
まずは個人名義から
ところで、いきなり資産管理会社を設立したいと考えている人もいると思いますが、それはお勧めできません。
まずは個人名義で投資を進めて、ある程度規模が大きくなってきたら、法人化を検討するのがいいでしょう。
というのも、法人を設立するには設立費用がかかりますし、毎年決算を行う必要がありますし、仮に会社が利益を上げていなくても一定の税金は支払わなければいけないからです。
「資産管理会社はいつ設立したらいいの?」という問いに対する答えは、その人の収入などの状況によって変わりますので、一度税理士に相談してみることをお勧めします。
資産管理会社の5つのメリット
資産管理会社を設立すれば、様々なメリット受けることができます。
投資のスピードが一気に拡大しますので、収入がある程度大きくなったら、資産管理会社を積極的に活用したいところです。
ここからは、資産管理会社のメリットを解説していきます。
- 税率が低い
- 経費として認められるものが増える
- 所得を分散できる
- 相続対策になる
- 社長になれる!
税率が低い
資産管理会社は、個人と比べて最高税率が低いメリットがあります。
特に不動産を所有しているケースでは、個人で不動産所得を受け取るよりも、法人を通じて不動産所得を受け取った方が税金を安くできることが多いです。
個人に課される所得税と住民税の税率は、最高で55%ほどですが、資産管理会社の場合には、もろもろの税金を合わせても35%程度に抑えることができます。
法人化により、最大でおよそ20%ほどの税金が節税できるのです。
なお、逆を言うと、個人の税率が35%に届かないのなら、法人化しない方が税率は安くなるといえます。
経費として認められるものが増える
資産管理会社を設立することで、必要経費に算入できる経費の種類が増えます。
例えば、打ち合わせ時の食事代や出張費、旅費、役員の住居費、パソコンなどの購入費用が経費として計上できます。
また、法人からの報酬を役員報酬や役員退職金として受け取ると、給与所得控除や退職所得控除を使えるようになり、節税することができます。
必要経費が増えることで、所得を減らし、税金を抑えることができます。
所得を分散できる
資産管理会社をうまく活用することで、生前贈与と節税を同時に行うことができます。
資産管理会社の役員に親族を入れることで、親族に役員報酬を支払えるようになるため、資産を少しずつ移転できるようになります。
しかも、役員報酬を支払うことで、法人の利益を圧縮し、節税することができます。
これが資産管理会社による資産継承の仕組みです。
仮に相続が発生しても、すでに相続人に資産が移転されているため、その資産から相続税を納めることも可能となります。
資産管理会社を使えば、次の世代へ効率的に資産継承ができるのです。
相続対策になる
個人名義で金融資産を保有していると、相続発生時に、相続人の間で揉めることがあります。
しかし、法人名義で資産を保有していると、資産管理会社の「株式」が相続の対象となりますので、個人保有だと分割が難しい資産でも、株式で簡単に分割できるようになります。
また、法人の株価は、3年経過すると貸家建付地や借家権による評価減もできるようになりますので、より低い評価額で株式を相続できるメリットがあります。
社長になれる!
こちらは完全に気分の問題ですが、資産管理会社を設立すれば、あなたは「社長」になることができます。
誰しも一度は社長になることを夢見たはず。
法人を設立することで、あなたは名実ともに社長になれるのです!
資産管理会社の3つのデメリット
そうは言っても、資産管理会社にはデメリットがあります。
「会社」を設立するわけですから、それ相応のお金と手間がかかります。
- ランニングコストがかかる
- 税金の勉強が必要
- 社会保険料を支払う必要がある
ランニングコストがかかる
資産管理会社は、ランニングコストがかかるデメリットがあります。
例えば税理士を雇うなら毎月の税理士報酬が、決算を代行してもらうなら決算費用が、そして会社が赤字でも、年間7万円の法人住民税がかかります。
このように、法人にはランニングコストがかかるため、すぐに会社を設立するのではなく、ある程度継続的に利益が出せるようになってから設立するのがいいでしょう。
税金の勉強が必要
会社を設立したら、税金に対する理解が不可欠です。
税理士に全て丸投げしてもいいのですが、税理士は必ずしもあなたにとってベストな提案をしてくれるとは限りません。
また、税理士によって得意なジャンルはかなり変わってきますので、自分のビジネスのジャンルに強い税理士を見つけることが大切です。
いずれにしろ、経営者のたゆまぬ努力が不可欠です。
社会保険料を支払う必要がある
資産管理会社を設立すると、会社の役員に対して社会保険料を支払う必要があります。
通常、社会保険料は従業員と会社の折半ですが、資産管理会社の場合には、会社と役員の社会保険料を納めるのは同一人物のため、社会保険料の負担が重くのしかかることになります。
よく注意しましょう。
資産管理会社のまとめ
資産管理会社にはたくさんのメリットがあります。
資産管理会社を設立することを目標に、投資の規模を拡大してみてくださいね!